2017.03.03 Friday | イベントレポート

「見て触って聞く、樹木と木材のはなし」セミナーレポート

会場の様子

2017年2月25日、モノ・モノ主催セミナー「見て触って聞く、樹木と木材のはなし」を開催しました。今回は『種類・特徴から材質・用途までわかる 樹木と木材の図鑑』の著者、西川栄明さんを講師としてお招きし、多種多様な木材やその活用方法などをわかりやすく解説していただきました。

当日は日本の有用種101種を含む、約180種の貴重な木材サンプルを会場に陳列しました。
普段、趣味で木工をしている私でも、こんなにたくさんの木の種類は見たことがなく、圧倒されました。受講生の皆さんも手に取ったり、においをかいだりと思い思いに樹種の違いを確認していらっしゃいました。

ずらりと会場に並んだ木材サンプル

セミナーのはじめに、西川さんから過去のお仕事の紹介がありました。西川さんは木工や木材の取材を長年にわたり続けてこられ、森林や木材から木工芸にいたるまで、木に関する幅広いテーマで執筆活動を行っておられます。
木のことに関わっていく中で、生えている木は知っているけど、どんな製品になるのかわからない、木材を販売しているがどんな状態で生育しているのかわからない、といった声があるのを知って同書を執筆されたそうです。

続いては、人類は木をどのように利用してきたのか、という歴史的な話がありました。人々は太古の昔から、道具、燃料、食料、塗料など様々な分野で木を活用し、木と共に生きてきました。古代エジプトで発掘された5000年前の木製のイスや、日本最古とされる2000年前の腰かけイスなど、古今東西の写真をもとに、木材利用の歴史について解説していただきました。日本書紀の中に木材の特性を生かした使用法の記述がすでにあったことは私にとっても初耳で驚きでした。古くから人類が樹種についてよく把握し、活用していることがわかりました。

セミナーの後半では、具体的な樹種の特性の違いや活用法についてのレクチャーがありました。中でも盛り上がったのが木材の利用方法を当てるクイズです。例えば、胃腸薬や家具に使われる木材はどれかという設問に対して、選択肢の中から樹種名を選ぶものです。答えはキハダなのですが、西川さんが関西で有名な薬というヒントをくださり、私もこの胃腸薬に日ごろお世話にしていたので、即答できました。クイズはなかなか難しく、参加者の皆さんも楽しみながら悩まれている様子でした。ちなみに私は半分しか正解することができませんでした。

講師の西川栄明さん。

そして答え合わせとともに、様々な樹種の特性について、実際のサンプルを手に取りながら解説がありました。硬い、やわらかい、水に強い、虫に強いといった素材の特性はさることながら、さらに色によっても用途が変わり、また木材にこれだけの色のバリエーションがあることが学べました。

セミナーの最後に西川さんが取り上げた言葉がとても印象的でした。それは「木は二度生きる」という言葉です。”最後の宮大工”と称される西岡常一さんも「木の命はふたつあり、ひとつは樹齢、もうひとつは用材として生かされてからの耐用年数である」とおっしゃったそうです。木を正しく知って正しく活用すれば、木に新たな命を吹き込まれ、より長い期間、木を生かすことにつながるのだと、あらためて認識させられました。

photo&text:宝樹 恵(グループモノ・モノ)



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